赤い薔薇がシンボルのフォアローゼズ。日本でも多くのウイスキーファンから愛されており人気の高い銘柄のひとつです。今年の6月初旬に15時間のフライトを経てバーボンの聖地「ケンタッキー州レキシントン」へ。車で30分移動し丸1日かけてフォアローゼズの魅力を探ってきました。

フォアローゼズ蒸溜所の創業者、ポール・ジョーンズJrは舞踏会で絶世に美女と出会い１人の女性に一目惚れをします。ポールは恋に落ち、なんとその場でプロポーズをしてしまいました。女性の返答は「プロポーズをお受けするなら次お会いする際に薔薇のコサージュを付けて参ります」と。その約束の日。4輪の真紅の薔薇を胸に彼の前に現れたことで実った愛。ラベルにはふたりを結んだ真紅の薔薇のコサージュが描かれています。

1888年、ポール・ジョーンズJr.がフォアローゼズの商標を登録し、永く愛され続ける”フォアローゼズ”ブランドが誕生しました。1910〜1912年にかけて建てられた蒸溜所スパニッシュ・ミッション様式が導入されておりアメリカの国家歴史登録財にも認定されており、外観から愉しめる蒸留所です。

ウイスキーには製造する蒸溜所や原料、歴史、製造工程など様々な魅力がありますが、今回私が実際に訪問し「一番お伝えしたいこと」は原酒の作り分けによるこだわりです。

原　　　料

これら原料の構成比を変えたマッシュビル(レシピ)を２パターン作ることで味わいの変化を生み出しています。

原料配合比率の異なる２種のマッシュビル（もろみ）

個性の異なる５種類の酵母

マッシュビル(原料レシピ)はライ麦比率を変えることで、①まろやかさ・甘味が強い、②スパイシーでドライな味わいの原酒を2種造ることができます。更に、ウイスキーの「風味と香り」の要である酵母を５種を使用することでフレーバーと味わいの異なる原酒10種造り分けています。フルーティーなものからスパイシー、ハーブなど全く異なった顔を持つ原酒もブレンドすることで多彩な味わいのウイスキーを生み出すことができます。